一人百首:3
カボチャが嫌いだ。
大概のものは食べられるのだが、カボチャだけは苦手だ。
甘さもいやだが、独特の食感も嫌いだ。
結構周りの男からも聞いたことがある。
井原西鶴も「とかく女の好むもの 芝居 浄瑠璃 芋蛸南京」と言ってたらしいから、
女性人気のほうが高いのかもしれない。
逆に好きな食べものは多い。
中でも周りで嫌いな人が多いしいたけや、ゴーヤーとかホルモンのようなゲテモノが特に好きだ。
好きなものが多すぎるため、とりわけこれが好きというものがなかった。
が、最近どれが好きかわかるようになった。
「グルーヴする食べ物」である。
分かりやすくいうと、余計なものが入っていなくて必要なものが入っているものだ。
そうめんに入ったミョウガみてぇな。
だからいらないものがたくさんありすぎるものはノイズになる。
LINEとかで動画付きで説明されているレシピは主観だと、最終的に卵入れてマヨネーズ入れてチーズ入れてる気がする。
お互いがお互いの味を引き立てるもののほうがおいしい。
まぁ、結局なんでもいいんだが。
あと、世間一般の意見とずれるかもしれないが、僕は雰囲気も含めて食事と思いたい。
数人で食べたというだけで、おいしさの度合いは格段上に上がる。
一人で百均の皿を使って晩御飯を食べたら、刑務所の中みたいだなと思った。
食べるならそのときの思い出も一緒に食べてしまいたい。
大学時代よく行っていたカレー屋さんに行った。
店主の鼻にピアスを入れた(日本人)奥さんが「いつもありがとう」と言ってくれたのを聞いて、僕は初めて「行きつけの店」ができたんだなと感じた。
年末に食べに行こうと思ったら、インドに帰省しているため今日まであけてくれないとのこと。
人生でこのカレーを味わうのはこれが最後になるんだろう。
象の神様の置物を見ながらチャイを飲んだ。
Lチキと バンズピーナツと 柿の種 ベターハーフと いう名のひびき