一人百首:4
毒舌芸人、というカテゴリーが苦手だ。
基本的に人を傷つける笑いは好きじゃない。
ビートたけしさんや談志師匠たちがそんなカテゴリーの人だろう。
でも、この人たちの毒は副作用として「幻覚」も同時に見せるのだ。
ビートたけしは北野武として、談志師匠は「イリュージョン」という物理概念を取っ払ったものを。(僕はそのフォロワーの人ぐらいしかみてないが)
この毒は僕は好きだ。
僕は幽霊を信じない。
ホラー映画は好きだけど。
自分の見たものしか信じない、という人がいるが自分の見たものほどあてにならないものもない。人間は3つ点が集まればそれを顔に勘違いする。
逆に言えばこれまでその人が見たことがないものは認識できないらしい。
コロンブスが始めて新大陸に渡ったとき、ネイティブアメリカンの人たちはコロンブスの乗ってきた船を見ることができなかったという話を聞いたことがある。そこまで大型の船を見たことがないからだ。
人間の目はレンズで、それがどんなものかを見る役割をしているのが人間の脳だ。
最近読んだニュースだと人はほとんど目に入っていないものでも「それを見た」と錯覚するらしい。
赤ちゃんの頃からさまざまな情報を視界に入れたせいで、ふとした変化もいつも見ているものだと思い込むのだろう。
ここまで書いて、「だから幽霊は存在する」という意見を言うこともできるだろう。
でも僕はそうは思わない。こわいからだ(笑)。
(´ω`)←これが顔に見える理由も同じことで、ただの記号を顔に想像する。
ではなぜそうなるのか。
人が持つ想像力に加えて、動物と比べて人間のもっとも発達している五感が視覚ということもあるだろう。
でも僕は人間が望んでそれを想像しているんじゃないだろうかと思う。
「水曜どうでしょう」の北欧リベンジで延々後部座席で走りづめの中で大泉さんが人形に声をあて「ムンクさん」というキャラクターを作ったこと。
「深夜の馬鹿力」で進学を悩んでいた伊集院さんが脳内で生み出した赤いラッカーのしみから生まれた人の顔。
妖怪なんかも意外とそんな理由で作り出されたんじゃないだろうか。
退屈だから、不安だから、人はなにかを想像するんだと思う。
「ロマンチックな星空に あなたを抱きしめていたい
南風に吹かれながら シュールな夢をみていたい」 TRAIN TRAIN
「今夜あたりは裸でいるのよ 最高シュールな夢が見れそうね」C調言葉にご用心
どちらも僕がヘビロテで聴いていた歌詞だ。かたやポップ、かたやパンクロック。
それぞれが見る夢にギャップはあれど、どちらもいかれた夢を見たいという思いの表れだろう。
ミュージシャンという職業が浮世離れしたものであり、人にその夢を与えるものである以上、そう思うのは当然だろう。
ただ、それを生み出すために道具を使うのはルール違反である。プロならば自分の技能だけでシュールな夢を見せてくれるはずだ。
そんなものに頼らなくても僕たちは合法的にトべる。
Imagine!!
深夜4時 イレイザーヘッドを 見るときも 君を思える 会話がないから