utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:5

見た目より年上にみられることが多い。

もっと直接的に言えば老けてみられる。声も「喫茶店のマスターみたい」といわれる。

嫌だ。

大学時代にサークルの友達と行った居酒屋。先輩から「店員の女の子にいくつに見える?ってきいてこい」といわれ、酔いにまかせてやってみる。ひかれる。その後でてきたおっさんに「36?」といわれたことがある。

就職活動の相談に行ったところ、ハローワークでも新卒の相談にのってくれるといわれ、実際に行ってみる。

相談も終わり外にでると、バインダーを持った婦人が立っていた。

「お仕事見つかりになりましたか?」

「い、いえ、あの、就職活動してるものです。大学生です!」

「あらー、ちょうどいいと思ったのに」

ちょうどいいってなんだ。

こんなことばかりである。

顔なのか雰囲気なのかファッションなのか。

すこしでも印象を変えようと美容室に行ってみる。

「あ、あの・・・。今日髪染めようと思って・・・」

「そっかー。お兄さん黒も似合うけどねぇ?」

番号と髪の色の写真が載ってある用紙を渡される。ここから髪の色を選ぶのだ。

「じゃ、じゃぁこれで・・・」

「あー、それだと顔とギャップがでるかなー」

「そ、そうですか?」

「このくらいの色のほうがお兄さんに似合うと思うよー」

「じゃ、じゃあそっちで・・・」

髪を染めたのに気づいたのは母親だけであった。

絶望する。世界を恨む。

友人に相談する。

「どうしたんだ、落ち込んでるのか?」

「いや、たいしたことじゃないよ・・・」

「気になるだろ。言ってみろよ」

「笑われるようなことなんだけどな」

「笑わないよ。言ってみろって」

「あのな、俺・・・」

「うん?」

「俺・・・女子にかわいいって言われたい」

爆笑された。

 

見た目がおっさんであっても心境は思春期のままだ。

いまだにくだらないことでよく笑う。

青春時代にいい思い出がないからだろうか。おっさんになりたくない!と思う。フレッシュでありたい!と思う。子供の頃は渋い大人になりたいと思ったのに不思議なものである。

だがこれはゆゆしき事態だ。逆コナンである。若返っていくベンジャミンバトン現象を待つばかりである。

おっさんっぽいからなのか、以前より年下に好かれるようになった。これはいい点だ。

女子高生と話す機会があり、企業の内定が決まったことを伝えた。すると、

「すごーい!あとはお嫁さんもらうだけだね!」

そうなのだろうか。

人の一生って仕事をして結婚すれば終わりなのだろうか。

ぐむむむ。

もっとも、僕自身バイトをしてた時そんなもんだと思っていた。

一番身近な大人であるバイト先の社員の人たちは全員死んだ魚の目をしていて、

仕事の責任逃れをしてオリンピックの話題で盛り上がっていた。

成長するってそういうことだと思っていた。

それから後で別の機会であった大人たちはかっこよかった。

仕事をしながら、かっこいい曲を作った.。人が困ったときに助けてくれた。

大丈夫だ。かっこいい大人もいる。年をとるのも捨てたもんじゃない。

俺の胃を 白ホルモンが 通過する 女子十四歳 泣いて暴れろ

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