utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:25

好きなラジオのDJが「編集王」という漫画をえらく推されていた。その人のおすすめしたものは料理でも映画でもなんでも見てきたので今回も見てみたものの、うまく乗れなかった。その中の一つのシーンで、編集者の主人公が同人誌の会場に行くというものがあった。自分の担当した漫画家の作品が成人用のエロ漫画に二次創作されていたものを見て、主人公は激怒する。担当する漫画家の作品に人気を増やすために過激な表現を出せ、といわれているのを見て主人公はまた激怒する。えらく硬派だ。エロ漫画に情熱を燃やしてもいいと思うのだが・・・。こういう時代だったんだろう。

 

自己紹介欄の趣味の部分を書くのが苦手だ。前にも書いたことかもしれないけど僕は飽き性で、おもしろさが分かるうちに他のところへ興味が移ることがおおい。今は植物を見るのが好きだ。昨日のコーナーみたいに緑を見ていると落ち着く。普段散歩している道も、以前は見なかった庭とか花屋さんに目線が行く。

でもそれは一瞬のことで、おそらく6月、長ければ9月ごろにはブームが去り、ベランダには枯れた花が並び、散歩しても庭を見ることはなくなるだろう。

ちなみに特技の欄にはもっと書くことがない。

 

料理でたとえて言うならばコンロが一台しかない台所といったところか。複数の好きなものを同時に同じ位好きになれないのだ。スパゲッティを食べるのに麺を鍋に入れる。麺をざるにあける。ソースを作る。全部完成するころには麺がのびきっている。

プロフェッショナルな人物にあこがれるのもそのためだろう。職人、とか一つのものに熱中している人のドキュメンタリーを見るとかっこよく思ってくる。部活動で6年間同じ事を続けましたって人にあこがれる。好きな仕事に就くためにわざわざ上京したという人と話す。頭が下がる。

大学時代の友人が就職活動を前にタレントになりたい、と言った。んー、じゃあ事務所にオーディションとか行かないといけないんじゃないの?という。それから3ヶ月経ってどんな感じ?と聞くと特に目立ったものはしていない、と答えた。あこがれてる人はいるの?と聞くと特にいない、と答えた。その下見からすれば?というといやー、そういうのはなあ・・・と言った。本気でなりたいの?と聞くと夢をもってるやつにそんなこというなや!と怒られてしまった。

趣味で小説を作ったことがあった。チラシの裏ではあるが、自分の中でイメージしたものが作品になるのは面白かった。当時付き合っていた彼女にそれを見せると彼女も喜んでくれた。やがて月日が経つにしたがって、忙しくなり文章を書くのもつらくなり、wordのファイルに入ったままになってしまった。その彼女にもフられた。彼女が新しく好きになった人は高校の先輩で、本気で小説家になるのを夢見ているのだという。告白すると小説以外のことには意識を向けたくないから彼女にしたくないのだそうだ。ガチ勢だった。自分の作ったてにをはもできていない作品が恥ずかしくなった。

僕がやってきたことはセロハンの紙のようにキラキラしていても薄いものなんだろう。

昔杉作J太郎さんの話を聞いたことがある。知らない人のためにいっておくと、サブカル界の重鎮でアイドル好きとしても知られる。なぜ彼がアイドルを好きになったか、おもしろいのかについて聞くと、2回目からはもう面白くなかったんだそうだ。そこからはルーティーンとしてぐるぐる回り、その回っている感じが面白かったんだという。その様子を杉作さんは惑星の周期に例えて人は小宇宙だ、とデタラメ言っていた。

仕事も趣味も恋愛も何もかも惑星の周期なんだろう。ぐるぐる回り続けるか、彗星のように孤独に飛び続けるのか、僕にはわからない。

なんにでも なれる子どもの 頃の作文 メタモルフォーゼ 持つスヌーピー