一人百首:6
昔、ラジオのパーソナリティーがこんな話をしていた。
「今の子供たちは親がしている趣味を知って自分もその趣味を好きになることが多い。だからスターウォーズとか、ビートルズとか昔の趣味が好きな子もいる。ネットを通じて情報も簡単に知ることができる。時代とか関係なくなってくる。これから先は面白くなると思う」
視点を今に戻す。テレビタレントの変わりにyoutuberが人気になり、ハンドスピナーが流行り、昨日流れたテレビ番組の事で盛り上がる。
メディアが変わっただけで、枠組みは変わらないままだ。
ある人がこんな話をしていた。
「机の上に有名なカメラマンの撮った写真を置いているやつがいる。自分しか知らないマニアックなバンドを教える人がいる。その人は本当に好きなんだろう。でも、その作品を作ったのが自分ではないということを忘れてはいけない。知っていることと、実際に自分で作るということは違う」
間違っていないと思う。センスや自分のマニアック度合いをアピールする人はむちゃくちゃいる。
でも、それを生かして新しいものを作ることもできる。
ヒップホップでよく言われる言葉がサンプリングだ。昔からあるファンクやジャズのレコードから一部を抜き出し、サンプラーに取り込み、新しい音楽を作る。
サンプリングは音楽だけでなく、文学や映画にも利用される。
クェンティン・タランティーノはビデオショップの店員となり、カンフーからフランス映画から人気作品からマニアックな映画まで様々な映画を吸収し、自分の作品に引用した。
サンプリングをパクリという人がいる。
でも、ありとあらゆるものを吸収し、それをかけあわせることは、技術もセンスも必要とするし、何と何をかけあわせるかは個性だ。
0から1を生み出すのはすばらしいが、1を何倍にもするのも同じぐらいすばらしい。
よく個性がない、自分は何者でもないという悩みを持つ人もいるが、その人は人生をサンプリングすることをおすすめする。インプットした内容を組み合わせ、自分なりに解釈をしてみる。
完成したらぜひ僕にも見せてほしい。
子供の頃、タイムカプセルを埋めたことがあった。クッキーの缶に当時大事にしていたキャラクターのシール、大人になった自分への手紙、お小遣い(3000円くらい)をいれ、自分の庭に埋めた。
大人になった今でもあのタイムカプセルはでてこないままだ。両親が庭いじりをしたときに片付けてしまったのだろうか。謎である。3000年くらい後にでてきて、当時の人間の生活の記録として博物館に展示されたら面白いなぁと妄想している。
君がいれば 完璧な日に なれたのに ラスト1ピース 訪ねて回る