utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:43

不定期開催!映画感想シリーズ!はい、すっかり短歌ブログより映画ブログになりつつあるここ最近、見た新作(とは限らない)映画のレビューをどんどんしていきますよ!しかもなかなかにジャンルレスでマニアックなので参考にはあまりなりませんよっと。

☆ハングマン(2001)

んー、個人的には微妙な作品でした。タイトルと同名のハングマンというゲームになぞらえて連続殺人事件が起きるっていうものでしたが、登場人物の誰に感情移入したらいいのか分からなかった。あと、ある登場人物が作品の中盤で(事件の謎とは一切関係なく)死ぬっていうところも納得できなかったですかね。その辺から見る気がなくなりました(じゃあレビューすんな)。

しかもそれまでは絞殺によって犯行が行われていたはずが、三人目の犠牲者がナイフで刺されたところは笑っていいのか何なのか分からなくなりましたね。タイトル詐欺やんっていう。スリラー物なのかミステリー物なのかあやふやなあたりが原因な気がしますね。どっちかに振り切ればいいものになったと思います。

残念なのがストーリー自体は結構いい題材を扱っているというか、コンプレックスの克服と、(逆に言えば)犯人にとっては成長の物語にもなるわけです。ただ単純に警察側・主人公側を絶対的善と言う風に描いてなかったのもよかったですし。そのあたりはダークナイトっぽいかなとも思いましたね。

最後に一言disるなら字幕と吹き替えこれは両方見たんですが、途中出てくる「首」に関するジョークをわざと意訳していたのも解せなかったですね。そのままで伝わるのに。

☆猿と導火線(1960)

これは久々にみたフランス映画でしたね。人生で言えばたぶん3作品しか見てないと思います。60年代のフランス映画は実験的な作品も多いことで有名で、今回の作品も80分とかなり短い作品ではあるんですが、かなり濃密でしたね。フランスの赤ワインのように。飲んだことないけど。監督のマルダっていう人は独特の編集で有名らしいんですが、生涯では4作品しか残しておらず、日本で公開されているのはこの1本だけだそうで。本で見て面白そうだなーと長年思ってて、GEOの復刻コーナーみたいなところで取り上げられてるのをみて即レンタルしましたよ。

ストーリーも何を伝えたいのかかなり掴みどころがないんですね。週に一度動物園で猿と会話するイギリス人アイアンと、爆破予告を仕掛けたジョゼ。そのストーリーが交互に絡みあう・・という話なんですが、まず特筆すべき点がかなり独特な編集で現代の今でも見たことがないんですけども、例えばアイアンがウイスキーをこっそり猿にあげる、それに一瞬カメラが寄ってジョゼが受け取りもうすっかり別の場所にカメラは移っている。というような(口で説明しても分からないので実際に見て欲しいんですが)感じです。

全体的に皮肉も交えた、それでいてどことなくシュールなシーンが次から次へと展開されます。脚本にわざわざ当時有名だったユーモア作家を雇ってひとネタ何円、っていう風に発注してたそうです。そんなことしたら作品が無茶苦茶になりそうなもんですが、そこが監督の手腕だったんでしょう。

あといいセリフも多かったですね。しゃれているのに気障になりすぎない、というか。「日の光が花を育てるように、有害なガスを農民が吸うように、我々は近づいていった」っていうのが個人的なお気に入りです。

絶対必見!ってわけではないですが、人によって見方が変わる良質な作品だったと思います。この作品の正解を知っているひとは解説お願いします。

☆ロボタ(2018)

これは本当に新作ですね。しかもドキュメンタリーという。もともと「労働」という意味を持つロボット。AIによる労働などが進んでいる今、見ておきたいドキュメンタリーです。その作り方もかなり荒っぽいんですが、世界各国の業務用監視カメラを(不法に!)取り寄せるというもの。裁判で無罪を勝ち得たのが奇跡としか思えません。ただ、内容がわかりやすく笑えるというか、まるでyoutubeのドッキリ映像を見ているようなタッチだったので苦にならないです。しかも中には日本の某大手企業も使われてたんですけども・・。こればっかりは見て欲しいですね。(っていうかこれほどの作品が広告もされずDVDスルーされてることに陰謀を少し感じますが)

先進7カ国とそのほかの国の幸福度ランキングなどのあらゆるデータを下に出された答えは社会人どころか人類につきつけられるあまりにも残酷な答えのように思えます。多分見た人全員が「え~」ってなる衝撃的であり、あまりにも救いがないので。

ただ、監督である御歳78歳のカーティス・メイヤーズはそれこそが希望である、という答えを出してるんですね・・。

普段ドキュメンタリー映画なんて見ないという方にこそ見て欲しい一本です。

 

 

以上、エイプリルフール先取り架空映画評論コーナーでした。

やってみたと 言うとなんでと 言わないで いいねって言う 君がかわいい