utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:20

気づいたら20回目の更新である。てことは20日更新しているわけだ。ブログが続いているのもみなさんのおかげである。メルシーボクー。

その昔、友人と音楽について話していた頃。海外のHIPHOPの曲数が異様に多いという話になった。その友人は海外のアルバムにはコンセプチュアルな内容がないからありったけ曲を入れるのだ、という内容でそのときは話が終わった。

「海外スラング辞典」という本では、曲の数が多ければ多いほどお買い得、という価値観から目いっぱい詰め込む、と書いてあった。そんなサービス満点ぐあいがたまらない。

といってもそんな簡単に曲数を増やすことも用意じゃない。そんなときによく入ってるのがスキットというものだ。曲と曲をつなげる小さい寸劇や、インタールードと呼ばれる間奏曲が入っていることが多い。

日本の季節は春夏秋冬、一番体調を崩しやすいのが季節の変わり目だ。四季だとか衣食住みたいな昔のものの影響は少なからず人は受けていく。暮らし方においても季節の変わり目というのは生じてくる。

仕事が終わった会社員が帰り道で缶コーヒーを飲むときに。

高校の部活の最後の試合が終わったあとの練習がなくなった放課後に。

二人で生活していた部屋を出て行き、荷物を片付けた部屋に。

大学受験が終わり、予備校の先生に挨拶した帰り道に。

合同コンパが終わった後の男だけの3次会のカラオケに。

一家心中を考えた父親が温泉に行った帰りに握り締めるタウンワークに。

万引きをした主婦の肩に店員の手が乗るスーパーのレジ前に。

修学旅行の帰りに疲れて寝てしまったバスの中に。

映画を見終わった後で氷のとけたコーラを飲みながらスタッフロールを見る時に。

海外の映画で「スーパー!」という作品がある。(ネタバレ注意)おっさん版キックアスみたいに、なんの超能力も金もない男がヒーローを目指すという作品だが、どちらかといえばこっちのほうが好きだ。奥さんに出て行かれた(このブログそんな作品ばっか)主人公はこの世の悪と戦うために巨大レンチを使ってぼっこぼこ人を殴っていく。そんな彼は映画の冒頭で「自分の人生の最高だった事」として奥さんにプロポーズした瞬間と、悪人を追っている警官に悪人の逃げた方向を指し示した瞬間のイラストを描いて壁に貼っている。その作品の中で出てくる言葉に「コマとコマの間で起きていること」というものがある。漫画だと物語が1コマ1コマで進んでいく。その間でおきること、ということだ。エンディングでは壁に貼られたイラストが壁を埋め尽くすように張られている。

大変な仕事が終わったあとの人にも、大切なペットを亡くした人のところにも、休み明けでボーっとしている人のところにも、人生のスキットはやってくる。そんな時に虚脱感というかぐったりしてしまいがちだが、重要なことはあわてずに寝起きのラジオ体操のように少しずつ体を慣らしていくことが肝心だ。のんびり自分のペースを取り戻そう。

放送は 終わりましたと いうテロップ 眺めてうたう 怪獣のバラード