utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

青行燈:5

どうも階段士、もとい怪談士のうつろぶねです。今回も青行燈のコーナーがやってまいりました。

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今回も知人から聞いた怖い話を話していきたいと思います。

 

この話は授業で「異界」について取り上げたとき、班の一人のメンバーが言っていた体験談です。

彼女は両親と兄と4人暮らしをしていたそうです。前は兄と一緒の部屋を使っていたそうでしたが、中学に進学するタイミングで別々の二階の部屋を使うようになったといいます。また、彼女はそのときにあるルールを作ったそうです。思春期に入りかけてきた頃、彼女の部屋に家族が入るときはかならずドアをノックするように言ったそうです。

ある木曜日、彼女は部活が休みで早く帰り、部屋の中でゲームをしていたそうです。父親は仕事、母親はスーパーへ買い物、兄は部活と一人の時間を有意義に楽しんでいたといいます。ベッドの上に横たわってゲームをしていると、

コンコンとノックの音が聞こえてきたといいます。家族が帰ってきたと思った彼女はドアを開けたそうです。しかしそこには誰もいなかったそうです。一応リビングや兄の部屋をのぞいて見ましたが、誰もいなかったそうです。気のせいかと思った彼女は再びゲームに戻りました。すると、またコンコンとノックが聞こえてきたそうです。今度こそ帰ってきたと思った彼女は、はーいと返事をしながらドアを開けました。しかし、やはりそこには誰もいません。

不審者かな、と怖くなった彼女は鍵を閉め、布団の中にくるまって家族が帰ってくるのを待ちました。すると、またコンコンとノックの音がしたそうです。怖くなってきた彼女は無視することに決めました。すると、ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンと、ノックがものすごい勢いで聞こえてくるのです。怖くなった彼女は布団の中で耳をふさいで、ただひたすらにおびえていました。

すると音がやみ、しばらくしてまたコンコンとノックの音が聞こえたのです。またきた!と思った彼女に緊張の糸が走ります。すると、ガチャっとドアが開く音がします。そして、自分を呼ぶ声がします。そこに立っていたのは自分の兄でした。兄にさっきまでの出来事を彼女は話しましたが、夢でもみていたんだろうと取り合ってくれません。

信じてもらえずに残念に思った彼女でしたが、兄の顔を見て安心し自分でも夢を見ていたのかもしれないと思うようになりました。安心して布団にもぐり、もういちどゲームをやり始めました。するとまたノックの音がコンコンとします。晩御飯かなと思い、彼女はドアを開けました。

しかし、再びそこには誰もいません。しかもノックの音が再び聞こえ始めているのです。しかもよく耳をすませるとドアのほうで鳴っているのではないのです。その音をたどると二階の窓から、コンコン、コンコンと音がしていたのだそうです。

 

怪談のコーナー、青行燈でした。来週もお楽しみに。