utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:44

寂寥感っていう言葉を急にふと思い出した。意味はわびしい、さみしいことを指す。「TSUNAMIのような侘しさ」ってなんだろうと考えていた時だった。なんとも物悲しい孤独の描写を日本独特の凄まじいエネルギー量で表している。普段聞いていると耳障りの良さだけで聞いてしまうが、この単語で表すと意味がぴったりくる感じがする。

最近寝付きが悪い。

朝早くに起きなければならない、早く寝ないとと思うごとに焦り、余計に眠たくなくなってくる。必死に目をつぶる。意識は覚めているから色々なことを考える。考えているうちに議論は白熱する。机の上だとまったく考えが進まず、ベッドの上だと色々考えてしまう。なんとも矛盾した使い方だ。あるいは周りの音の静かさに気づく。普段は意識しない孤独感に気づく。ネットを使えば使うほどその感情は濃くなっていく。まるでジグソーパズルの中に正方形のピースをむりやりねじこんだように。

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チャーリーブラウンのもとにスヌーピーがやってくる。「真夜中に目が覚めて何もかも絶望的に見えて、まったくひとりぼっちで・・」刻々とスヌーピーの気持ちを慮るチャーリーにスヌーピーが言う。「夜食のクッキーない?」

友達と話しても、家族がいても、女子と話しても、仕事が楽しくても、ブログやツイキャスで人と話しても、埋まることはないらしい。人間だけじゃなくどんな生物もある程度の群れをつくって暮らす。そのほうが生活しやすいからだ。ガンジーヒトラーも一人であれほどのパワーを持つことはできなかった。そのかわり、人はどこまでいっても孤独だ。どんなに親しい人でさえ完全に理解することはできない。こう考えると人間はえんえんと堂々巡りをしたまま生涯を終えるような気になってくる。

あるエッセイを読んだときもそんなことが書かれていた。その人は孤独を病気の一種と勘違いしていたらしい。高校生の時分に孤独感に苛まれ、家族との距離は離れ友人は少ない、布団の上で足をばたつかせてやり過ごすしかなかったという。しかしそれから30年後の今でも孤独心がごくたまにやってくるという。

瀬戸内寂聴さんは人はもともと孤独な存在だという。孤独だからこそ暖かくなりたい、一つになりたいとしてセックスするという。しかし「同床異夢」という言葉があることを話す。床を同じくした恋人でも夫婦でも、見る夢は異なる、というもの。また「生ぜしもひとりなり、死するも独なり、されば人と共に住するも独なり。そいはつべき人なき故なり」という言葉も紹介されている。

こんなことを思っているのが一人だけじゃないと思うことで少しその孤独感が薄まれば幸いである。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6221508

砂糖のない ホットミルクは うまくもない ミルクカゼイン 張る3時半