utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:35

前にも書いたことを書く。

大御所の作家さんなんかでよく昔に書いた作品を嫌がったり、子供のころに書いた稚拙な文章を見て恥ずかしがる人がいるが、僕は現在進行で作ったものが嫌いだ(読んでもらっている側がいるのに申し訳ないが)。文章にしてもネタにしても。

自分の作ったものを見るたびに着飾っている、っていう風に思う。なんていうか凝り固まった感じがしてしまうのだ。

もともとかっこいい、とかかわいいというもののあら捜しをするようなタイプの人間なんだろう。着飾った、とか雰囲気のあるものをいいとしてきた人ならそれで落ち込まないだろう。もしくは僕のようなタイプの人間が素直にそのままを表すことができたらそれは最高だと思う。

目標としている文章を書く人物が自虐的・自嘲的にそっけない、それでいて意味のある文章を書いているのを見て、自分もこんな風なものを作ろうと目指して書くたびにダサい仕上がりだなぁと思ってしまうのであった。

昔読んだ「人間失格」を思い出す。鉄棒の時間にわざと失敗してクラスメートの笑いを誘った主人公に、その中の一人の友人が「ワザ、ワザ」と言う。かりそめの姿を見透かされた主人公を見て他の人が神妙になるであろう場所で僕は笑ってしまった。共感の笑いだ。

周りからどううつるかを考えすぎると自分という迷宮の中で迷うことになる。ありのままでいい、オンリーワンが美しい世界を影から眺めているのが僕です。

そうか俺 自分ではない なにかへと なりたかったか あきらめなさい