utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

またまた新コーナー・青行燈:1

どうも、うつろぶねです。また新コーナー。「青行燈」の時間がやってまいりました。

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先月から某サイトで知人から聞いた怪談の朗読をしております。全然人がこないものの、一時間まるまる聞いてくれる人もいたりして、それがうれしかったりする。

その放送では事前にどんな内容かという原稿も作っているんですが、このコーナーではその原稿を書いていこうと思います。百人一首に続いて百物語にも手を出す何かと百づいているこのブログ。

百物語では話すたびにひとつろうそくを消していき、最後のろうそくを消したときに暗闇が訪れ怪異が起こるらしいですが、このブログでは話すたびにろうそくを点けるようなコーナーになればいいと思っております。ではさっそく行きましょう!

 

いきなり怖いというより、不思議な話になります。

バイトで知り合った友人で夜中の10時ごろ、お客さんも少なくなってきた頃に、暇だからということで話したときに聞いた話。彼が子供の頃、それも幼稚園に入る前の頃に体験したそうです。彼の家では休日になるとよく両親と一緒に遊園地などのテーマパークに遊びに行っていたそうです。

その日も高速道路で遠くまで行き、遊んで帰っている途中、もう一箇所寄ろうということで地元の水族館に寄ったそうです。入る頃にはすっかり夕方になっていたとのことでした。

彼が特に地元にゆかりのある魚が展示されている場所が好きだったらしく、ずっとそこを行ったりきたりしていたそうです。すると、いつのまにやら両親とはぐれてしまったというのです。

水族館の中では閉館の音楽が流れ始めます。周りにも係員の人は見当たりません。あたりをやみくもに走っていると、大きな水槽が展示してあるスペースに着いたそうです。

水族館特有の青い光の中を人を探して走り回ります。しかし周りにも人はいません。子供の足にとっては水族館はあまりにも大きすぎました。

ふと水槽を見てみると、中に展示されているはずの魚がいません。どこにいったんだろうと中をよく見ると、奥に何か見えます。

もっと目を凝らしてみると、そこには人間の女性の姿があったというのです。

子供のころなので不思議に思わなかった彼は、その女性に「はぐれちゃった」と言ったそうです。しかしその女性は変わらず同じ場所で立っていたといいます。女性は酸素ボンベなどは持たず、裸でただ立っていたそうです。

だんだん恐ろしくなってきた彼が泣きながら両親を探したところ、ようやく両親にあうことができたらしいです。

それから15年がたち、その水族館が閉園するということを聞いて、彼は行ってみることにしたそうです。実際に入ってみるとその大きな水槽はあったそうですが、もちろん女性はおらず、中には熱帯魚がいたといいます。

両親にその話をしてみると、迷子になったのは覚えているが、そんなことあるわけないと笑われたそうです。

 

このコーナーでは怖い話を待っています。コメント欄にお書きください。