utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

青行燈:2

どうも。怪談師のうつろぶねです。青行燈の時間がやってまいりました。

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今回も奇妙で、それでいて怖い話をしていきたいと思います。

大学時代の女性の話。彼女は中学の頃からモテていたらしく、彼氏になろうとする人がひっきりなしにいたといいます。彼女が大学1年目の頃に引っ越すことになり、部屋の掃除をし、荷物をまとめたそうです。

そんな中、棚の中の小さな引き出しを開けると、プリクラのシートがでてきたといいます。

中には高校時代の自分と顔の知らない同年代の男がうつっていたといいます。その男はいうほどイケメンであるというわけでもなく、中の下くらいで、プリクラには彼女とおそらくそこにうつっている男の名前が文字で書かれていたそうです。

しかし、彼女はそこにうつっている男の名前も顔もどうしても思い出せないのだそうです。そこでわざわざ卒業アルバムを取り出し、彼の顔を調べてみたそうですが、どこにもうつっておらず、彼の制服も彼女の行っていた高校のものではないのだそうです。

引越しも終わってゆっくりした頃、彼女は親友を食事に誘い、そのプリクラを見せたそうです。親友はしばらくみた後、あ~、しってるしってると懐かしそうな顔で言いました。親友の話によると彼女は高校時代にわずかの間だけ付き合っていると紹介されたそうですが、写真を見せるだけで実際に会ったことはないのだそうです。彼女の交友関係は全員高校の中で、顔もそれほどよくなかった彼となぜ付き合うことになったのか不思議がっていたそうです。

元彼の顔も忘れるほどモテていたのかと聞くと、彼女は自分は記憶力がよく、一度会った人の顔は忘れない、ましてや付き合った男の顔は忘れるわけがないといっていました。

他に連絡先などもなく、のこっていたのはそのプリクラ用紙一枚だけだったそうです。彼女はそのプリクラを捨てるわけにもいかず、今も保管してあるといっていました。

 

青行燈のコーナーでした。体験談などある方はコメント欄へどうぞ。