utsurobune’s diary

短歌を発表してます。

一人百首:24

昔見たガムのcmを思い出す。沢尻エリカとお笑い芸人が出ていた。♪ショ、ショ、ショータイム、ショーショーショーショーショータイム、笑ってな~いと笑われちゃーうーもん!じんっせいなんてそんっなもんだーもん。

JPOPの中にはどれだけ「笑顔」という言葉がでてきたんだろう。

意識していない素の顔が微笑みの人が素敵だ。道を歩いているたびにそう思う。僕もどうせなら笑っていたい。

人と場合にもよるが、基本的にはよく笑うほうだと思う。就活でメタクソにダメだしをされたときも笑顔だけは褒められた(逆に言えばそれしか褒めるところがないんだろう)ただ僕の場合意識すると笑ってるように見えないみたいだ。柄にもなく自撮りを撮って送ると指名手配のポスターで見たことがある・目の奥が笑ってない・サイコパスなどの評判を受けた。

学校でもなんでも、笑顔はすばらしいという価値観は結構硬いものだろう。

ドラッグストアでレジ打ちをしていた頃のこと。酔っ払った客に絡まれ、社員を呼びだされたことがあった。「次店に来たときにこいつが辞めてなかったらどうなるか覚えとけよ!!」激怒したその客は帰っていった。がっつりメンタルをやられた僕は社員さんのほうを見る。「まぁ、一概にあの客が悪いとは言えないから。とりあえず笑顔で接客がんばってね」そういって店員は仕事に戻った。かなり病んだ僕だったが、とりあえず笑顔にならなければ。そう思うたびにさらに落ち込む。と、とりあえず笑わなくては。感情が楽しくなくても笑顔を作ることで脳は錯覚して楽しくなってくると何かのサイトで書いてあった!そうやって必死に笑おうとする自分にさらに落ち込む。気がつくと僕は鼻水をだらっだら垂らしながら接客していた。

僕もお笑い芸人や漫画が大好きだし、いやなことを笑いで吹き飛ばそう!というイズムは正しいしかっこいいと思う。でもできるならば自然な感情のままのほうがどちらかといえば生きてる実感はあるんじゃないだろうか。なかなかそれもできない世の中だし、目の前で急に笑われたり怒鳴られたりするのもやだが。

ネガティブな感情、怒りとか嫉妬とか残虐性とかそれはあまり表に出すべきではないとされているものの、それを無理やりポジティブな気持ちで押し込めようとするとより危なくなる予感もする。生ごみに芳香剤をかけるように。

昔はまじめな考えが世間一般に広がっていたんだとか。家庭や伝統、などなどが重要視されていたという。その次に生まれた人たちはそれに反発して生きてきた。いわゆるカウンターカルチャーというものだ。その次に生まれた人たちは考え方が変わって笑うことで表現をしてきたんだとか。一つの見方だが。

それを踏まえて、笑うべきなんだろうか笑わないべきなんだろうか、それとも他に価値を置くんだろうか。草を生やすべきなのかべきじゃないのか。

RHYMESTERの初期音源に(本人たちは黒歴史と言っているが)そのままズバリ「笑うな」というものがある。元は筒井康隆の短編から名前の引用である。スチャダラパーがギャグラップと評される中で彼らはこんな歌詞を作った。

「皆が皆 皆ホントに楽しそうだなんて事
マジで滅多にないだろうな
誰かきっと冷めた目で傍観
君らだってそりゃ
馬鹿じゃなけりゃ分かりきった話だろうが
俺の苦労が報われる日はいつ来るのだろうか
神様どうか! ささやかな願望叶え給え
俺らだって一応
愛されたいからバカやったりして
笑わせたりなんかするの好きさ
でも笑いたがりばかりいるぞ
かなりジャパニーズ
魂どっかおざなりなままに
皆が皆ヘラヘラしてるだけじゃ
駄目じゃないか ガーッと本気出せなきゃ

「黙ってたって笑ってたって人の勝手」

だって分かってたってやってられねえや
ただただ笑いたいだけの人にゃ大体
俺ら特に何も言うべき事は無いが
俺らなりの態度決めたい馬鹿みたいな
Rhymester All Stars
嫌いさこんなタイプ
格好ばっかつけてる奴ら
ハスに構えるしか能がねえ雰囲気馬鹿!
上っ面で笑う日々にサヨナラって
心から言えるその時まで笑うな」

さみしいと 刺身という字は よく似てる 歯茎にしみる 解凍マグロ